Take it to the limit
超高層大気は、設備機器にとっては過酷な環境となり得る。この環境に対応したロケットエンジンを開発することは大変大きなチャレンジである。もしその過程に問題が存在すれば、エンジンやその関連部位、部品は破損の恐れがある。
スペインの小型ロケット開発企業であるPLD Spaceは、小型ペイロード、小型衛星に特化した軌道、また準軌道商業打ち上げサービスを展開している。2011年にスモールベンチャーとしてビジネスを立ち上げて以来、発展を続け、今では従業員42名を抱える企業へと成長した。
PLD Spaceにとって、打ち上げ用宇宙ロケットMIURA1、MIURA5の設計及び製造工程において、高品質な材料と部品を選ぶことは、必要不可欠要素であった。「我々が使用する材料には非常に限定的な条件があります。例えば、部品を締結するボルトは、強度が高く信頼のおけるものでなくてはなりません。それにより超高度の飛行時にも部品がずれる事なく、飛行することができるようになります。」そう語るのは、PLDのCEO&共同創業者であるラウル・トレス氏だ。また、同社の推進部部長であるイスマエル・グティエレス氏は、
「我々はすべての部品をそれぞれ
能力の限界まで追求しているた
め、品質は最も重要である。」
と述べる。彼はまた、「弊社では、厳格な規定を遵守し安全性確保のため起こり得るすべてのシナリオを想定したあらゆるテストを必ず行います。もし我々が示す究極的な強度、摩耗率などのすべてのパラメーターを満足させない製品は我々のテストに適合することはできません。」そう続けた。
アプリケーションの要求条件が非常に高いため、最高品質の材料を使わないと試験をパスすることができないので、特にこの話は推進部門には重要な話である。大気圏外など非常に振動の多い環境においては、ボルトの軸力維持は最優先事項となる。従来のワイヤーロッキングは軸力維持としては実用的なソリューションにはならず、PLD Spaceのチームは別の軸力維持方法を探し始めたところノルトロックに巡り合った。
「我々は、違った種類の技術を十分に試した結果として、抜群の締結力を兼ね備えたノルトロックワッシャーを選びました。」
ノルトロックワッシャーは現在では、PLD Spaceで製造するほとんどのロケットエンジンのボルト締結体、そしてロケット発射台にも使用されている。「弊社では基本的にエンジンのすべてのボルト締結部にノルトロックワッシャーを使用しており、その緩み止め効果はちゃんと確認されています。」とグティエレス氏は述べる。「弊社の発射試験において軸力は維持され、ボルトの緩みは一切確認されていません。」品質の良い材料に支えられ、PLD Spaceは現在MIURA1の商業打ち上げの準備を進めている。
顧客: PLD Spaceビジネス:航空宇宙場所:スペイン、エルチェアプリケーケーション:打ち上げ用ロケット課題:大気圏外の過酷な条件下におけるボルトの軸力維持ソリューション:ノルトロックオリジナルワッシャーにより緩みを防止