Reducing lug wear once and for all
ブラックウェル社は、英国では残り僅かな露天掘り石炭鉱山となったスコットランドのハウス・オブ・ウォーター鉱山に全ての掘削設備を供給する鉱山採掘設備業者である。高効率なマシンを求める同社は、その優れた運搬積載量とスピードから、キャタピラー777G型オフ・ハイウェイトラックを採用している。
花崗岩採掘という忍耐を要する長時間作業を終えた後、CATのダンプトラックのサスペンション部とホイスト部の可動部にはかなりの摩耗が発生し、補修作業を必要とするのが常となっていた。
キャタピラー777Gの設計上、可動部の補修のために穴加工を施す際にはその巨大な後輪を取り外し、別の場所へ逃がす必要があった。1つのホイールが4トンもの重量を持つ車輪の取外しは全て手作業で行われ、高い集中力が求められる一方、作業者にとっては危険を伴う作業だ。
更に、可動部の肉盛溶接や穴加工による補修作業は、多額のコストと多くの時間を要する。しかし一般的なピンを可動部に使用していたブラックウェル社にとって、この作業は何十年にも亘って当たり前に行われる業務の一部となっていた。現代の鉱山採掘では、ダウンタイム(補修等による車両の運転不可期間)の発生は、例え1分であっても看過できない損失となる。そのため通常は、予め代替車両を準備しておくことでダウンタイムの発生を回避するのが常だ。だが当然ながら、代替車両の準備にはコストがかかり、現場のオペレーションも複雑化してしまう。だからこそ、彼らがエクスパンダー・システムを知った時、同社は喜んで従来のピンに取って代わるソリューションにトライしたのだ。
エクスパンダーの取付作業を行う際には、ホイールだけで7トンにも達する777Gの後輪を取り外す必要はなく、これだけでも数時間単位で作業時間(=ダウンタイム)が短縮された。ブラックウェル社プラントマネージャー、デビッド・ランカシャー氏はエクスパンダーによるメリットをこう語ってくれた。「エクスパンダーの導入によって、これまで数日がかりで行っていた作業が、ほんの数時間にまで短縮できました。ロングタームでのコスト比較をするにはまだまだ時期尚早ですが、エクスパンダ―・システムは現時点で既に驚くべき規模で時間とコストを削減してくれています。」
また、エクスパンダー・システムはこの可動部の寿命を最大で5万運転時間にまで延ばすことができる。エクスパンダーによる良好な成果を得て、ブラックウェル社はその後、ホイールローダーへもエクスパンダ―・システムの使用を拡大。更に他の車両への展開も現在計画しているという。
顧客:ハーグリーブス・サービスPLC傘下、ブラックウェル社
採用製品:エクスパンダー・システム
事業内容:鉱山採掘事業
プロジェクト:ハウス・オブ・ウォーター鉱山(スコットランド)
課題:メンテナンスによる車両使用不可期間(ダウンタイム)の削減
アプリケーション:ダンプトラックの足回りとホイスト部のサスペンション・ピン
車両使用不可期間短縮の成果:数日単位のダウンタイム→数時間単位に削減