New horizons with the Expander System
ボスカリス・ウェストミンスター社は、80年を超える歴史を持つ浚渫(河川や海等の底を掘り、浚うこと)と洋上施設に関わる設備、および海洋サービスを提供する世界でも有数の大手企業です。
ロイヤル・ボスカリス・ウエストミンスター社は、80年を超える歴史を持った世界トップクラスの海洋土木・港湾施設建築工事業者です。安全性と持続可能性を最重要課題に掲げる同社は、様々な海洋環境工事を成功させて来ました。特に同社が誇る一大船団とも呼べるような、大きな浚渫船がずらりと並ぶ眺めは圧巻の一言です。また、過酷な海洋環境工事は、保守保全作業も含めて現場へのアクセスが非常に困難であるため、いかに効率良く、トラブルを未然に防止するかが成否の分岐点となります。
ボスカリス社の過酷な海洋工事で主力となる、同社最大級のバックホー型浚渫船「バルデュール」では、ノルトロックグループのエクスパンダー・システムが採用されていました。エクスパンダーの製品は海洋工事のような過酷な環境下でも確実に機能することを前提に開発されています。エクスパンダー・システムを可動部に使用することで、摩耗によるピン穴の楕円変形やガタつきを未然に防ぎ、メンテナンスコストと労力を大きく削減できることにいち早く気付いた同社は、すぐにエクスパンダーの実地試験に着手しました。
アーム状のディッパーとブームのリンク部に組み込まれたエクスパンダー・システムは、エクスパンダーが設計・製造した製品の中で、過去最大のものとなりました。ピン径320mm×ピン長さ2230mm、重量が1.5トンにも及んだこの途轍もないピンは、エクスパンダーの独自技術でキーとなる拡張スリーブ単体だけで95kgの重量があったのです。
結果、エクスパンダー・システムを取り付けた可動部には、取付部のメンテナンス等による運転停止(ダウンタイム)や工期の遅れが発生することはなく、ボスカリス社にとってこれらの問題は過去のものとなりました。エクスパンダー・システムは、ピン軸が太るように拡張する独自技術によってピンとピン穴の間に僅かにできる隙間を完全に塞ぐことで、荷重を可動部全体に分散し、可動部のピン穴とピン自体を保護します。摩耗と無縁の、半永久的に使用できるエクスパンダーは、ロイヤル・ボスカリス・ウエストミンスター社が保有する浚渫船1隻1隻の船舶寿命を延ばし、その稼働効率も大きく向上させています。