Creating big opportunities for small distributor

デンマークの企業ヴィゴ・ベンツ社は先日リサイクル業大手、ステナ・リサイクリング社に対し、同社製グラブバケット用にエクスパンダー・システムの提供を開始。小規模な事業者でも大きな利益を手にし得る画期的なシステムだ。

小規模な事業者にとって、値下がりが続く金属産業界で利益を確保しつつ、大口顧客との強固な関係を維持するのは大変なことです。ヴィゴ・ベンツ社はデンマーク最大にして最東端の島であるシェラント島西海岸のヘンに本拠を置く企業で、全8名の社員によって解体と廃品の仕分けサービス、そして関連製品の供給を行っています。同社オーナー兼CEOのポウル・エリック・ヤコブセン氏は、事業が現在の形となってから僅か3年後の2006年に同社の経営を引き継ぎました。「私が事業を引き継いだ時、当社は主にショベルカーを扱っていたのですが、ある時気付いたのです。特定の製品だけを扱っていたのでは会社として生き残って行けない。もっと取扱製品を拡大して競争力をつけなければ、とね。」

こういった背景から、ヴィゴ・ベンツ社にとって変化に対応する能力は極めて重要なものとなりました。同社の売上の半分は、グラップル、バケット、油圧ハンマーやグラブ等ショベルカーのアタッチメントパーツが占めていますが、残りの半分は環境事業やリサイクル業関連機器とそのプラントから収益を得ています。同社の取引先はエクスパンダー・システムの主要ユーザーでもあり、ステナ・リサイクリング社が業界大手の一角を担うリサイクル業が、エクスパンダー・システムにとってどれほど可能性を秘めているのかをヴィゴ・ベンツ社は十分に理解しています。

スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、そしてポーランドという5つの市場で事業を展開するステナ・リサイクリング社は、持続可能性の高い事業を行うことに強いこだわりを持っており、ヴィゴ・ベンツ社とはボルト等の締結部材において十年以上に渡る長い取引関係を続けています。そこでヴィゴ・ベンツ社は、同社製の「オレンジピール・グラブ(写真参照)」と呼ばれるアタッチメントでエクスパンダー・システムを試験的に採用することをステナ・リサイクリング社に提案します。この種の設備機器は長期間、コンスタントに稼働するため常に摩耗や割れの問題を抱えています。結果、ステナ・リサイクリング社はエクスパンダー・システムを採用するに至り、そのことがメンテナンスの回数や規模を縮小する一方、安定性や設備機器の寿命を向上させているとヤコブセン氏は考えています。「エクスパンダー・システムによって、ステナ・リサイクリング社はコストを削減し続けています。中長期的な視野で事業を捉えた場合、維持費削減への投資は不可欠です。金属価格の下落によって、この市場は今非常にタフな環境ですが、設備機器を長期間使用でき、尚且つ維持費を安く抑えることは、自社事業の持続可能性と利益確保に直結します。これこそ競争の激しい市場で生き残るために必要なことだと思います。」

今日の市場に持続可能性の高いソリューションを供給することの重要性。ヴィゴ・ベンツ社はそれを熟知しています。多くの企業が資源のマネジメントや廃品からの資源リサイクルへの注目度を高めつつある中、廃品リサイクル業は持続可能なビジネスの最前線を担う事業です。今や資源の再利用プロセスをより効率的に行えるソリューションは、世界中の注目を集め、多くの企業が持続可能性戦略に取り入れようとしています。設備機器メーカーが可動部の摩耗という避けられない問題を解決できれば、機器ユーザーが将来に渡って支払って行くコスト負担を大きく軽減できます。また、多くの消耗品や作業を不要にできれば環境負荷という点でもメリットがあるはずです。ヤコブセン氏によれば、小規模な事業を営む企業にとっても、これは相当なメリットです。「我々は製品の品質をとても重視しています。それは漠然とした品質ではなく、常に最安値で提供するという意味でもありません。常に抜きん出て素晴らしいサービスを提供する、ということです。小さな会社だからこそ、我々は顧客のニーズに柔軟に対応でき、スピードも速い。顧客だけでなく我々自身のためにも重要なことです。」

ヴィゴ・ベンツ社は既にデンマーク中の鉱物・金属リサイクルや建築市場でその立ち位置を確立しており、エクスパンダー・システムの販売代理店となることは、同社既存のビジネスモデルにも非常に相性の良いものでした。
現在では同社の年商のうちおよそ20万ユーロ(約2,600万円)をエクスパンダー・システムが占めています。また、近年のほぼ全ての企業がそうであるように、全国的な市場シェアが伸びるということは、それだけWeb上での存在感も増して来ます。ヤコブセン氏は同社のWeb上での取り組みも不可欠なものだと考えています。「我々は現在、いわゆるソーシャルメディアにも力を入れており、週に一度はFacebookに採用事例のストーリーをアップしています。エクスパンダー・システムの採用事例をアップすると毎回、新規のお問合せを何件かいただくのです。今後も是非続けて行きたいと思っていますよ。」

競争の激しい市場で生き残るという点において、価格競争は極めて重大なポイントですが、ヴィゴ・ベンツ社は楽観的でありながら非常に現実的に物事を捉えています。ヤコブセン氏にこの質問をぶつけてみました。「その通り。価格やコストは全てと言っていい。しかし、エクスパンダー・システムにおいては、多くの競合が存在するわけではありません。イニシャルコストという短期的なコストだけでなく、長期間に渡って安定稼動できるソリューションを手にしたおかげで、我々は設備機器の一生涯に渡る本質的なコストに対しての提案が可能となりました。廃品リサイクル等の持続可能性が高いビジネスに参入できる機会が巡って来たのも、そのおかげです。この辺りをちょっと回っただけでも、どれだけの重機が動いているかすぐに分かります。この可能性が、我々が将来を楽観視できる理由です。」そう答えたヤコブセン氏は、穏やかな笑みをたたえていました。

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FACTS

顧客: ヴィゴ・ベンツ社
エンドユーザー: ステナ・リサイクリング社
ロケーション: デンマーク
プロジェクト: グラブバケット向けの可動部摩耗対策品の提供
ノルトロックグループ製品: エクスパンダー・システム

得られたメリット:

  • 設備機器の稼動寿命向上
  • メンテナンス回数の低減
  • 設備機器の安定性向上(ガタつき低減)
  • ダウンタイム(稼働停止期間)の削減

 

エクスパンダー・システム:維持費削減による持続可能性の向上

持続可能性と費用対効果を重視する、つまり競争の激しい市場に生きる設備機器メーカーは、長い期間安定して稼働できる製品を供給することにフォーカスしています。例えば、廃品リサイクル業における油圧グラブはコンスタントに集積・選別・仕分けという作業を長い間繰り返し、安定して行えなければなりません。結果、応力集中が起こる可動部のピン穴には摩耗が生じ、ダウンタイムを伴う補修作業を強いられます。

ただのまっすぐな軸である従来のピンとエクスパンダー・システムの違いは、ブッシュを必要とせずそのまま取り付けられる点と肉盛溶接やドリルでの穴加工が不要となる点です。つまりそのような補修作業
が要らず、現場で誰でも簡単に取付・取外しが行えるため、ダウンタイムは最大数十分まで大幅に軽減できます。修繕回数や作業に要する設備は大幅に削減され、メンテナンスコストも安価に抑えられます。特にシリンダーロッドの根元やアーム部等、躯体側の修繕回数を減免すれば設備機器の寿命も長くなり、稼働時のガタつきを抑え作業の効率も上がります。 

エクスパンダー・システムには欧米を中心に建機、製造プラント設備、オイル&ガス関連機器、トンネル掘削・砕石機器、船舶、そして農機において、合計1万モデル以上の重機や工場設備に採用されており、現在まで8万箇所以上の可動部に取り付けられた実績があります。

廃品リサイクル業のような過酷な作業に従事する産業に対して、ノルトロックグループはエクスパンダー・システム以外にも様々なソリューションを供給しています。英国の廃品リサイクル業大手・ビッファ社では2012年からメルセデス・ベンツ社製の全てのトラックにノルトロックホイールナットを使用しています。従来のロックナットによるホイール締結で定期的に必要だった増し締めが一切不要になり、相当額のメンテナンスコストが削減できているためです。

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