発電所冷却水を守る橋

ユーロポートとしても知られているオランダのロッテルダム港は年間約35,000隻の遠洋航海船がやってくるヨーロッパ最大かつ世界第3位の港湾として日夜操業しています。

ロッテルダム港の拡張とその背景

 数年前に、ロッテルダム港では増加する貨物船入港によりキャパシティーオーバーになり、港湾施設の拡張の必要性に迫られました。その為ロッテルダム港湾公社は港湾拡張のため現在のデルタターミナルであるマースフラクテ地区西側の沖合に新たな埋立地を造成し、港湾施設及び関連施設を整備する計画である「マースフラクテ2」の開発が開始されることになりました。マークスフラクテ2の開発計画は堤防の建築、港湾サイト、全長約3kmの岸壁、マースフラクテ2エリアへのアクセスに必要な道路、鉄道の建設が含まれ、その他にマースフラクテ地区にある揚子江埠頭に鉄道及び車輛でのアクセスの為、仮設橋梁の建設も行われました。しかし、鉄道用の橋梁の建設のためには一定期間大規模な鉄道サービスを休止する必要があります。

冷却水排出の問題

 マースフラクテ2と揚子江埠頭間の第一水路の橋梁は、防波堤が一時的に閉鎖する間、マースフラクテ地区の揚子江埠頭にあるE.ON発電所(現Uniper Benelux)で使用する冷却水の排出に必要不可欠なものでした。その為、橋梁・浮桟橋・車輌用自走式ランプウェイ装置などの建設工事を牽引するJason Bridging社が仮設鉄道用橋梁を建設し、冷却水の問題をクリアすることとされました。

 

ノルトロックワッシャーによる鉄道の緩みを止めるソリューション

 これらの橋梁は標準的な鋼製であり、ボルトとナットで締結されていますがその間にノルトロックの建設用SCワッシャーを利用しています。Jason Bridging社はオランダの鉄道ネットワークインフラの保守と拡大を担う国営企業であるProRail社から断続的な振動によるボルトの緩みの対策に関する強い要求を考慮した結果、ボルト締結の緩み止めにノルトロックの建築用SCワッシャーを選択しました。ノルトロックSCワッシャーは建設業界に特化して設計された製品で、独自のアール形状を持つHVボルトとワッシャー間の接触面を最適化するため、一つ一つの内径を面取りしたワッシャーになります。

 

トルクレンチによる簡単な施工

Jason Bridging社は橋の縦横の梁を、一部が軸力のかかったボルト締結体を介して締め付けます。また、軸力をかける為のボルト締結は校正済みのトルクレンチで締め付けることができ、施工に特別な作業を行うことなく軸力を高めることができます。ノルトロックワッシャーを使うことで橋梁を安全かつ特別な作業がなく設置することができ、発電所を止めることなく港湾拡張工事ができることとなりました。

 

お問い合わせ先
株式会社ノルトロックジャパン
Tel :072-727-1069
Email :nlj@nord-lock-jp.com

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