メンテナンス性を前に進める
2014年2月1日、三菱重工業と日立製作所の火力発電事業部門が統合され、三菱日立パワーシステムズ株式会社が誕生しました。「われわれの目標は、火力発電分野で世界ナンバーワンになること。そのためには三菱と日立の早期融合によるシナジー効果を最大限に発揮することが重要だ。」西澤社長の言葉通り、高い技術力とノウハウを必要とする大型ガスタービンを手掛ける三菱重工業と、中小型ガスタービンに加え電気・情報系などの運転制御技術を得意とする日立製作所の統合により、幅広い製品ラインナップを有し、国内外の多様な電源ニーズに対応することが可能となりました。
その多様なラインナップの中で、出力・効率共に最も優れるのがJ形ガスタービンシリーズ。兵庫県高砂市にある複合発電プラント実証設備で長年検証されたその信頼性から、国内外の発電所のお客様から多くの支持を得ています。また、ノルトロックワッシャーを多用したメンテナンス性の改善がお客様満足度の向上に寄与しています。従来使用していたワイヤリングや舌付き座金などによる緩み止め方法と比べて、短時間で作業を終えることができ、誰が作業を行っても同じ効果が得られる点は、多くのお客様から支持を得ています。また、ノルトロックワッシャーそのものに起因する緩みを経験していないことも支持される理由のひとつです。
発電所は今、定期点検の工期短縮がトレンドとなっています。効率の良い設備を使い、できるだけ多くの発電機会を得たい。技量の要るワイヤリング作業や舌付き座金の舌を折る煩わしい作業に代わり、まわり止め作業が一切いらないノルトロックワッシャーは、こういった場面でもその恩恵を充分に発揮します。工程上ボトルネックとなる作業へのノルトロックワッシャーの適用は更に効果があり、三菱日立パワーシステムズでは、ノルトロックワッシャーの更なる適用範囲の拡大にむけて、日々検討に取り組んでいます。
気候の変動の影響を受けやすい再生可能エネルギーに比べて、ガスタービンは燃料を効率よく利用でき、窒素酸化物等の排出量を低く抑えることができるなど、安定的でかつ環境にも優しい発電設備です。このガスタービンの稼働率を可能な限り向上させることが重要であり、メンテナンス性の継続的な改善こそが、工期短縮、ひいてはお客様満足につながります。MOVE THE MAINTENANCABILITY FORWARD。三菱日立パワーシステムズは、この高効率ガスタービンのメンテナンス性向上のための取組みを推し進め、火力発電分野のトップを目指します。
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FACTS
顧客:三菱日立パワーシステムズ株式会社
製品:J形ガスタービン
採用製品:ノルトロックワッシャー
以前のソリューション:ワイヤーロック