世界最高レベルの効率化
川崎重工業株式会社は、2016年で創立120周年を迎えた日本を代表する企業の1つで、航空宇宙分野から鉄道、バイク、エネルギー関連機器等、多岐に渡る製品を製造しています。中でも工場等の自家発電設備として使用される中小型ガスタービンは、1次エネルギーである燃料から電気・蒸気等複数のエネルギーを生み出す「コージェネレーション」として運用され、特にM7A型ガスタービンのエネルギー効率は発電効率と熱回収効率を含めた総合効率にて、実に世界最高レベルの85.2%に達します。川崎重工業は純国産のガスタービンとして、同社独自の技術で本性能を実現しています。
一方、効率という点において、ガスタービンのような設備機器にとっては、メンテナンス効率もまた重要な要素となります。本M7A型ガスタービンの圧縮機部やタービン部に使用されている一部のボルトには、緩み止めとしてワイヤーロックが適用されていましたが、緩み止め効果が作業者の技量に左右され作業効率も低いという課題があり、さらにワイヤーの締め付け不足による運転中のワイヤー折損のリスクも孕んでいました。
対してノルトロックワッシャーは、2枚組のワッシャーを取り付けるだけで振動等による回転緩みを物理的に防止します。また、2枚組のワッシャーは予め糊付けされているため、作業者がワッシャーの組合せの向きを間違えてしまうこともありません。従来は40-50本のボルトにワイヤリングが必要でしたが、現在ではノルトロックワッシャーを適用することにより、作業の難易度が格段に下がっただけでなく作業時間も圧倒的に短縮することが可能となりました。こうして世界最高レベルの効率を誇るガスタービンは、メンテナンスにおけるボルト締結の作業性も最高レベルに効率化されています。
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FACTS
顧客:川崎重工業株式会社
製品:M7A-03D 高効率ガスタービン
出力:7,610kW
総合効率:85.2%(発電端効率+熱回収効率)
NOx値:52.5ppm(O2=0%)
NOx低減方式:DLE燃焼方式