大型車にエクスパンダーシステムが選ばれる理由

ピボットピンは、産業機械の可動部には欠かすことのできない部品です。しかし、従来のピンは、他の機械部品と同様に、時間の経過とともに摩耗し、性能の低下やダウンタイムの長時間化、さらには故障につながることもあります。

採掘用トラックや林業用ハーベスター、建設機械などの大型車両は、重量物を積み起伏の多い路面を走行するため、特に耐久性の高い部品を必要とします。

エクスパンダーシステムは、これまでに世界中で200万件以上で採用されています。それぞれの産業において、機械の所有者、現場オペレーター、メーカー、工場が、なぜ従来のピンに代わる最適な選択肢として、なぜエクスパンダーシステムを選んでいるのか、その理由をご説明しましょう。

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性能と安定性の向上

エクスパンダーシステムは取り付けの際、両端の拡張スリーブがピン穴の形状に沿って広がり、穴の隙間を埋めることでピンが固定されます。重い負荷がかかった場合でも、密着した状態が維持されるため、接続部分のガタつきやずれを防ぐことができます。ピン穴内部の遊びをなくすことで、機械の安定性が増し、部品やベアリング、エクスパンダーシステムのピン自体の摩耗や破損のリスクを低減することができます。

 

耐久性と信頼性:荷重の分散

従来のピボットピンでは、ピンを可動部に装着する際に小さな遊びが必要となり、その結果、僅かな接地面に荷重が集中します。稼働中にピンが動き、応力が一点に集中することで、次第にピン穴の隙間に楕円形の摩耗が生じます。エクスパンダーシステムのスリーブは、ピン穴にしっかりと密着しているため、荷重が接触面全体に広く分散されます。また、両端固定梁は曲げや軸折れのリスクを最小限に抑えます。これにより、重量物を積み、起伏の多い路面で作業する場合でも、車両は安定した状態を保つことができます。

 

簡単な取り付けとメンテナンス

「エクスパンダーシステムは、簡単な工具で取り付け、取り外しができます」

エクスパンダーは、基本的な手工具で取り付け、取り外しができるように設計されており、車両のメンテナンスや修理を容易に行うことができます。また、可動部の摩耗に対応した製品であるため、時間のかかる専門的な穴加工も不要になります。このため、 多くの技術者が行っているように、摩耗したピボットジョイントを現地でそのまま交換することが可能です。

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コスト削減と競争優位性:エクスパンダーシステムのコストメリット

エクスパンダーシステムを利用することで、機械の可動部ピンの寿命が大幅に延び、修理、交換、一般的なメンテナンスが減らせるといったメリットがあります。採掘業のお客様にとって、可動部の摩耗やピンが固着した際は修理に日数を要するため、エクスパンダーシステムへの切り替えは非常に有効です。

メーカーにとっては、耐久性が向上しつつも、性能は維持され、メンテナンスが容易な製品を展開することで、機械のライフタイムコストを削減することができます。エンドユーザーにとっては、機械が継続的に稼働し生産性が上がることで、競争優位を得ることができます。

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長期的にみれば、ピボットピンの性能が向上することで、大幅な収益増につながる可能性があります。

ケーススタディ: オフロード・ライヒトバウ・マヌファクトゥーア - エキスパンダーシステムで世界を走る

ニルス・トレッティン氏は、オフロード向けの遠征車をカスタム製造するベルリンの会社、オフロード・ライヒトバウ・マヌファクトゥーア社に勤めています。この会社では、北極圏から砂漠といった過酷な環境下でも耐えうるよう、キャビン接続部を固定するために、エクスパンダーシステムを採用しています。

「エクスパンダーシステムの取り付けはとても簡単です。車両とキャビンの間でずれがあってはならないため、遊びの無い接続は非常に重要です」と、ニルス氏は言います。

以上のように、エクスパンダーシステムのピボットピンは、耐久性が高く、取り付けが簡単で、車両の各部品が安定して連結されるため、過酷な環境下でも、機械を最適な状態で、最高の性能が発揮できるようサポートしてくれます。

 

エクスパンダーシステムについてより詳しく知りたい場合や、お客様の現場への訪問、機械へのピンの取り付け、またはメンテナンスのご相談は、ノルトロックジャパンの営業技術部にお問い合わせください。