従来の課題を克服する技術

可動部の挿入穴はピンの脱着を可能にするため、一般に、挿入穴に対してピンをマイナス公差としています。設備の稼働時、可動部に荷重が加わると、その僅かな隙間の中でピンが荷重方向に運動を起こします。その繰り返しの衝突から、結果として可動部のピン穴に摩耗が生じ、ブッシュを使用していればブッシュ交換が必要となり、ブッシュを用いない箇所では生じた穴摩耗の修繕が必要となります。

エクスパンダー・システムは、従来のストレート形状のピンで必然的に発生していたピン穴との隙間をなくす独自技術で、ピン穴の楕円変形等の原因となる隙間を拡張スリーブにより無くし、摩耗発生の原因を根本から解決します。多少摩耗が生じた既存のピン穴にも使用することができ、拡張スリープの拡張代が既に摩耗した分の隙間も埋めることが可能です。一般的な工具のみで取り付けることが可能で、取り付け箇所に合わせたデザインをご提案いたします。ご自身で作業が可能な点から、サービス等の外注に頼らずに可動部のガタつきを抑制出来ます。

 

エクスパンダーシステムは両端がテーパー加工されたピンと、その両端に取り付けるための拡張スリーブ、テンションワッシャー、ボルト(またはナット)で構成されています。

可動部ラグ穴摩耗の修繕に代わる技術

  1. 可動部のピン穴にテーパー付ピンを挿し入れます。ピン穴の摩耗がよほど酷くない限りは、既設のピンとの入れ替えも肉盛や穴加工を行うことなくそのまま行えます。

  2. 両端にスリットが入った拡張スリーブとワッシャーを取り付け、ボルト(またはナット)を締め込むと、ワッシャーが拡張スリーブをピンのテーパーに押し込み、スリーブがピンのテーパーに沿って拡張します。

  3. このスリーブの拡張によりピン穴内の隙間は塞がれ、ピンが穴の中で動けない状態ができ上がります。

  4. 取付が完了するまでの時間は、小さなものなら15分~30分程度。大きなものでも2~3時間で完了します。ピン穴の中でピンが打ち付けられることが無くなれば、摩耗によるガタつき・騒音・ピン折れ等の問題は発生せず、可動部の補修によるメンテナンスコストが不要となります。

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Quality & Traceability

一般的なピンで焦点となるピン自身の強度に関しても、エクスパンダー・システムはボルボ建機社による50,000時間(約6年間)連続の実地耐久試験で一度も不具合を起こすことなく動作し、ピン穴にもピン自身にも摩耗は全く発生せず、その高い耐久性が実証されています。現在では、世界中で100万本以上のエクスパンダー・システムが、様々な設備機器で使用されています。

エクスパンダー・システムの製品は、最高の品質水準に則り、スウェーデンのオートヴィダベリと米アイオワ州デウィット、そして日本国内で製造されています。工場では各工程における徹底した品質管理と完全なトレーサビリティを実現しており、さらに受注頻度の高い製品は1分1秒でも早く出荷できる在庫体制を構築し、常に準備が整えられています。

認証証明書 

ご要望に応じて証明書の発行や試験の実施も承ります。例えば、欧州規格のEN10204に準拠した証明書の発行や、超音波や磁気による探傷試験等の実施が可能です。

  • DNV(洋上設備業界向け)
  • TÜV Rheinland

品質・環境保証

  • DNV 2:22/ OS E-101
  • API 8C/ISO 13535
  • ISO 9001
  • ISO 14001

各種試験に対応

  • シャルピー試験
  • 超音波探傷試験
  • 磁気探傷試験

トレーサビリティ

全てのエクスパンダー・システム製品にはロット番号が刻印されており、材料である鉄の原産地や製造日 が正確に追跡できるようになっています。またエクスパンダー・システムのピン部分にお客様のブランド マークを入れることも可能です。

エクスパンダー・システムはアルフレッド・ノーベル財団の開発賞を受賞しています。

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お客様採用事例